能登SDGsラボ1周年を迎えて

金沢大学能登学舎に能登SDG s ラボが開所して、10 月 1 日で 1 周年を迎えました。
このSDG s について、みなさんはどのように感じているでしょうか?

 

日常生活の中でSDGsについて関わりを持つ方、詳しく知っている方もいらっしゃるかもしれませんが、関わりがない方、初めて聞くという方もいらっしゃると思います。
すでに知っている方はご存知の通り、SDGsは知っている人達だけで達成できるものではありません。
1周年を迎えて、改めて、SDGsのことを1人でも多くの方に知ってもらいたいと思い、この記事を書きました。

SDGs って何?

珠洲市の広報紙「広報すず」7 月号でSDG sの特集がありました。
その1「 SDGs(エスディジーズ)とは…」 では、SDGsが何なのか珠洲市とSDGsについて
その2「珠洲のこと」では、17の目標が詳しく、さらに、珠洲市内での関係する取り組み
その3 「私たちの実践」では、珠洲市内でSDGsについて実践している方
その4 「私のこと」では、SDGsを自分のことに結び付ける
その5 「あなたのこと」では、読んでいる方が、SDGsを自分ごととして考えてもらえるきっかけ
最後に能登SDGsラボの紹介ページ、と、全部で10ページにわたり掲載されています。

https://www.city.suzu.lg.jp/data/open/cnt/3/1552/1/2019_07_KouhouSuzu.pdf?20190828111807

今年の4月から能登SDG sラボで勤務し始めた私も、その4 「私のこと」で誌面に掲載していただきました。
反響はとても大きく「すず広報でとったね」「いいがに写っとったがいね~」など声をかけていただきました。そして、「あそこって、何するところなんけ?」「SDG sって、なにけ?」と聞かれることも増えました。
みなさんの疑問をまとめた、ある男性からの一言。
「わけわからんもんできて、何しとるがか、わからんわ」
…そうそう! と、うなずいている方、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
そうさせている原因の1つとして、「読めない問題」があります。
「英語の時点で、俺らに知ってほしいと思ってない」
と、言われたときは、本当にその通りだと感じました。
「エス ディ ジー エス」と読む方もたくさんいらっしゃいます。
正しくは、「エス ディ ジー ズ」最後のsが小文字のため「エス」ではなく「ズ」となります。(知らんがな!!と言いたくなりますね)
私もSDG s を見て、一緒に働いている職員に「日本語にしないとわからない」と、生意気なことを言ってみましたが、日本語にすると『持続可能な開発目標』と、漢字がずらずらと並び、どんよりしたのでした。
なぜ英語で馴染みのない名前なのでしょうか。
私の考えは、世界中の人達みんながわかる言葉で目標を伝えるためではないかと思います。
今、地球ではいろいろな問題が起こっています。
日本で、私たちが豊かに暮らす一方で、遠い国の人や、生きものが苦しんでいたり、
自然が壊されている場面をテレビで見ることが多く、とても悲しくなります。
その時は、「何かしなければ」と思いながらも、慌ただしい生活の中で、
ついつい忘れて過ごしてしまいます。
何をすれば、苦しんでいる人や、生きもの、自然のためになるのか、考えると難しいです。

私は、earthという自然ドキュメンタリー映画に出てくるシロクマ(ホッキョクグマ)のシーンが忘れられません。かわいそう、助けたい、そう思っても、日本に住んでいる、私が、今すぐに助けることはとても難しいです。「何年もかけて今の状態にしてしまったことは、何年もかけないと解決することができないのかな・・・。」と思ったりしましたが、
そんなのんきなことを言っている場合ではなく、多くのみなさんが思っている以上に地球はとても深刻な状況です。
みんなで、地球を守る必要があります。
そのために、何をすればよいのか、それを解決するのがSDG sの17個の目標だと思います。
例えば、買い物のときに、マイバックを持参している方は、「つくる責任・つかう責任」、
「海の豊かさを守ろう」の 2つに、
電気をこまめに消すことは「気候変動に具体的な対策を」に貢献しています。
このように、日常生活の中にも取り組めることが沢山あります。
そして、17 個の目標の中にもそれぞれに169個のターゲット(達成基準)があり、先日、いろいろな国の人が集まり地球環境について考える大きな集会(ISAP2019 持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム)https://isap.iges.or.jp/2019/jp/index.htmlで、169個のターゲットの半分以上は、地域のみなさん 1 人 1 人の協力がないと達成できないと聞きました。
それはつまり、政治家や行政、企業だけでもなく、そこに暮らしている私たち 1 人 1 人の協力がないと達成できないということです。

能登SDG sラボで働く私にとって、大切なことはSDG sというものが何なのか、ということを一人でも多くのみなさんに知ってもらうことです。
金沢にある国連大学の職員の方に、SDGs についてとても分かりやすい動画を教えていただきました。(世界に広めよう「持続可能な開発目標(SDGs)」(マララ・ユスフザイさん)https://www.youtube.com/watch?v=H0yxJzzIFo8&feature=youtu.be
子どもから大人まで楽しく見ることができる動画なので、ぜひ、見ていただきたいです。

みなさんから、SDGsやラボについて質問してもらえること、とても嬉しいです。これからも気軽に聞いて下さい。

 

 

 

 

(能登学舎の玄関に飾られている写真)

ここからは、能登SDGsラボの取り組みを紹介したいと思います。
ラボ設立以降、開催してきたセミナー、勉強会、シンポジウム、座談会等のイベント一覧5月までの取り組みはこちらに掲載済みですのでぜひこちらも見て下さい。
https://noto-sdgs.jp/2019/162/

6月からの取り組みはこちらです。

6月5日 第9回SDGs座談会(主催:珠洲市教育委員会・能登SDGsラボ)
場所:珠洲市民交流センター
ファシリテーター 北村健二(能登SDGsラボ/金沢大学)
運営支援 高真由美(能登SDGsラボ)
市内公民館長・主事、教育委員会事務局 合計21名参加

6月7日 珠洲商工会議所青年部(YEG)「2030SDGs」カードゲームを活用した勉強会
場所:珠洲商工会議所
ファシリテーター 永井三岐子(国連大学OUIK事務局長)
北村健二(能登SDGsラボ/金沢大学)
珠洲YEG、白山YEG、事務局、講師、ラボオブザーバー 合計21名参加

6月26日 石川県よろず支援拠点出張相談会in珠洲
場所:珠洲商工会議所
長田英希(石川県よろず支援拠点チーフコーディネーター)
運営補助 宮崎駿(能登SDGsラボ)
市内企業、団体 合計3社(団体)参加

6月26日 第1回2019年度SDGsセミナー
場所:ラポルトすず
講師 野水克也(サイボウズ株式会社 社長室フェロー)
田村悠揮(株式会社トラストバンク エバンジェリスト)
行政職員、市内事業所関係者、能登里山里海マイスター終了生、
商工会議所職員、国連大学OUIK、ラボ関係者 合計26名参加

7月1日 珠洲市青年会議所シニア例会
場所:珠洲商工会議所
講師 宇都宮大輔(能登SDGsラボ/珠洲市)
青年会議所シニア例会参加メンバー、能登SDGsラボ 合計18名参加

7月9日 大谷小中学校SDGs講演会(カードゲーム活用)
場所:珠洲市立大谷小中学校
講師兼ファシリテーター 北村健二(能登SDGsラボ/金沢大学)
学生、教員 合計18名参加

7月10日 第10回能登SDGs座談会
場所:金沢大学能登学舎
ゲスト 佐藤克己(認定NPO法人 紡ぎ組 理事長)
坂井美香(認定NPO法人 紡ぎ組 副理事長)
金沢大学能登学舎スタッフ・関係者 合計10名参加

7月22日 第2回2019年度SDGsセミナー
場所:ラポルトすず
講師 野水克也(サイボウズ株式会社 社長室フェロー)
田村悠揮(株式会社トラストバンク エバンジェリスト)
行政職員、市内事業所関係者、能登里山里海マイスター終了生、
商工会議所職員、国連大学OUIK、ラボ関係者 合計23名参加

9月18日 第3回SDGsセミナー
場所:ラポルトすず
講師 野水克也(サイボウズ株式会社 社長室フェロー)
田村悠揮(株式会社トラストバンク エバンジェリスト)
行政職員、市内事業所関係者、能登里山里海マイスター終了生、
商工会議所職員、国連大学OUIK、ラボ関係者 合計19名参加

9月20日 珠洲商工会議所SDGs勉強会(カードゲーム活用)
場所:珠洲商工会議所
講師兼ファシリテーター 北村健二(能登SDGsラボ/金沢大学)
珠洲商工会議所職員、市内企業、合計11名参加

この他にも、環境、社会、経済の各分野で他の団体が主催するフォーラムやセミナー、イベントに登壇したり、能登SDGsラボとして出展したりしています。

私自身は、能登SDGsラボの事務局員として、事務作業と、昨年度まで取り組んできた
環境省の事業・地域循環共生圏構築検討業務を引き続き、環境コーディネーターの宇都宮さん、
三崎町粟津地区のみなさん、若山町上黒丸地区のみなさんと一緒に活動しています。

SDGsと、能登SDGsラボについてほんの少しだけ知っていただけたでしょうか?

能登学舎の近くにお越しの際は、ぜひ、
「 能登SDGsラボに遊びに来て下し! 」

高 真由美(能登SDGsラボ事務局員)