現在の能登の里山里海は、これまでこの地で生活をしてきた人達が工夫して築き上げ、受け継いできた宝です。この素晴らしい宝から恵みを得られる事を先人に感謝し、未来の世代へ受け継ぐ取り組みは、持続可能な社会の実現を目指すSDGsの推進に欠かせない柱だと考えています。
市民・行政・企業などがつながり、能登の里山里海への理解を深めながら環境保全や資源活用に取り組めるように、調査・教育・普及活動の推進や多様な主体の連携をサポートしています。
子どもからお年寄りまで。
能登の自然への理解を
深める取り組み
未来を担う世代が、現在の能登の里山里海の環境や、そこで暮らす生物を知り、今後の姿を考えるきっかけとするために、珠洲市が市内の全小学校で実施する生き物観察会のサポートをしています。小学校の先生方と話し合い、専門家や地域の住民の参加や協力を呼びかけるなど、子どもたちが里山里海をより身近に感じる機会を作り出すための協力体制の強化に取り組んでいます。
また、地元の環境系NPOや行政が現状を把握するために実施している調査を支援し、結果を伝え、活用するためのつながりを作る取り組みを支援しています。
「生物多様性の保全」と
「持続可能な利用」を
目指した地域づくり
市内には10の地区があり、それぞれの場所に先人たちが築いてきた里山里海の宝が眠っています。宝から得られる恵みを探し、活かす為に、人のつながりを作り、SDGsの観点からできることとは何か、一緒に考えています。
例えば、地域の若手がグループを作り、地域での利用が減っていた梅の実を使って、都市部の業者との商品開発をサポートするなど、地域や里山里海を維持していく方法を共に考え実行する手伝いをしています。
Our Project環境×プロジェクト
珠洲の里山生きもの観察会
- 協力団体:
- 珠洲市自然共生室
- 珠洲市教育委員会
- NPO法人能登半島おらっちゃの里山里海
世界農業遺産に認定された珠洲市の里山の生物多様性を市民が実感して、保全・継承するための啓発事業として、平成25年度から実施しています。市内の小学3年生を対象としており、児童が水田および水田周辺の水域に入り、直に生き物に触れる自然体験を通じて学ぶとともに、その成果を農家に伝えることにより、地域全体で能登の生物多様性についての理解や価値観を高め、珠洲市の農業と生物多様性保全の両立および共生を目指します。
SDGsを学ぶ自然体験メニューの開発
- 協力団体:
- 珠洲市自然共生室
- 珠洲市観光交流課
- NPO法人能登すずなり
- NPO法人能登半島おらっちゃの里山里海
珠洲市は2011年に世界農業遺産に認定されるとともに、2018年にはSDGs未来都市にも選定されています。学校現場等においても、自然体験やSDGs学習といったものへの需要が高まるなか、本市の豊かな里山里海における体験を通じ、SDGsを学ぶことができるメニュー開発及び実施体制の構築を進めています。
Prospectこれからの展望
自然環境、社会、経済へと恵みを循環していくこと
能登の自然環境と地域社会や経済とのつながりを強め、維持・活用を続けていく事へチャレンジしていきます。
能登の里山里海が保持している生物多様性や自然資源を活かしながら、体験活動や資源の商品化などを通じて社会や経済とつながりを持ち、そこから得られる資金や労力を里山里海の維持・保全につなげる循環を作る事を目指しています。
自然環境を社会や経済とつなげる挑戦に、一緒に取り組みましょう。