ファシリテーション談義シリーズ(3)
本シリーズでは、初回にまず「ファシリテーション」の意味を考えました。
続く第2回では、地域づくりにおいて「リーダー」を側面支援する「ファシリテーター」の存在価値を考えました。
今回は、地域づくりにおけるファシリテーションの役割についてさらに考えてみましょう。
ファシリテーションというカタカナ用語が持つ伝わりにくさは第1回でも触れました。
では、日本語で表現するとしたら?
そのことも併せて考えてみましょう。
思えば、この難題にずっと頭を悩ませてきました。
どう表現すれば多くの人たちと考えを共有できるか?
すると、2020年の春に助成申請の書類を書いているときに降ってきた言葉があります。
本当に僕の頭に急に「降ってきた」感覚でした。
それが「設(しつら)える」という表現です。
設えることがファシリテーションである、としてみたらどうなるだろう?
では、いったい何を設えるのか?
共に地域づくりファシリテーションを考えたい仲間たちの顔を思い浮かべました。
この人たちは何を設えているのだろうか?
そして、次の3つの種類が出ました。
A:プロセスを設える
B:空間を設える
C:発信を設える
まず、プロセスの設え。
これは、ファシリテーションの王道というべき主な役割です。
それを地域づくりの視点で整理するとどうなるか?
掘り下げていきたい深いテーマです。
「空間」や「発信」については、プロセスよりもっと暗中模索です。
一般的にも、これらがファシリテーションの文脈で語られることはほとんどありません。
なので、挑みがいがありそうです。
これら3種類としたのは、あくまで仮説です。
この分け方でよいか?
もっと他に設える対象があるか?
そもそも「設える」という表現が本当によいのか?
現時点では、答えより問いばかりです。
じっくり答えを探していこうと思います。
これまでの3回はいつも似たような終わりかたですね。
一見すると、まったく前進していないかのようです。
でも、僕のなかでは毎回少しずつ新しいことが加わっています。
言葉を綴ることで、考えの整理も進んでいきます。
なので、焦らず一歩ずつ歩を進め続けたいと思っています。
たとえ亀のように遅くても。

※本文とは関係ありません。
北村健二
(能登SDGsラボ コーディネーター)
(地域づくりファシリテーター研究会 代表)
能登SDGsフィールドレポート:日々の活動のなかで北村個人が感じることを共有するための媒体で、組織の立場や見解を示すものではありません。